カードローンを利用していると返済用口座に残金が不足していたり、思わぬ出費があったりして、返済日に返済のできないことがあります。実は、返済が遅れることに対する呼び名として「遅延」と「延滞」がありますが、その使い分けを理解している人があまりいません。遅延と延滞の基本的な使い方の違いは以下にあります。

・遅延:返済日から60日以内に返済できていない状態のことです。

・延滞:返済日から61日以上(または3ヶ月以上)返済できていない状態のことです。

つまり、返済が遅れている日数の違いですが、結果として大きく異なるのは、遅延は事故扱いにならないのに対し、延滞は事故扱いになることです。そして、延滞の事故情報は必ず信用情報機関に報告されます。なお、遅延が事故扱いにならなくても、遅延した事実は業者内の記録として残されます。

目次

●返済の遅延は1日でもペナルティが課せられます
カードローンの返済が遅れると、「遅延損害金」が課せられます。遅延損害金というのは、利用者が返済期日までに返済金を支払わなかった債務不履行に対する損害賠償金のことです。カードローンの契約書には遅延損害金の内容や利率が記載されています。

なお、誤解している人が少なくありませんが、返済が遅れた場合、通常の借入利率と遅延損害金の利率の両方が課せられるわけではありません。返済期日を過ぎた以後の日数分が遅延損害金の利率(遅延利率)で計算されます。例えば、通常の借入利率が18%の時に遅延すると、遅延した日数分は遅延利率の20%が適用されるということです。なお、遅延が解消されれば、元の18%に戻ります。

●遅延損害金の上限利率
遅延損害金は利息制限法により「利息の上限金利の1.46倍まで」と定められているため、法律上は以下の遅延利率の設定が可能になります。

・10万円未満の借入:年率20%×1.46=29.2%
・10〜100万円未満の借入:年率18%×1.46=26.28%
・100万円以上の借入:年率15%×1.46=21.9%

ただし、消費者金融は貸金業法の規定によって、遅延損害金の上限金利は20.0%と制限されており、29.2%で請求されることはありません(ほぼすべての消費者金融カードローンの遅延利率は20%)。なお、銀行カードローンの場合は遅延利率が20%の銀行があれば、遅延利率を取っていない銀行もあり、様々です。

●遅延損害金の計算方法
実は、遅延損害金の計算方法には2種類が使われています。

ア.借入残高×遅延利率÷365×延滞日数
イ.当月の返済金額×遅延損害金利率÷365×延滞日数

多くのカードローンでは(ア)の方式が採用されています。例えば、10万円の借入残高のある利用者が10日間返済が遅れたとして、遅延利率が20.0%だった場合は、遅延損害金は以下の額になります。

10万円×20%÷365日×10日=547円(遅延損害金)
なお、遅延損害金の中には通常の利息分も含まれているため、仮に借入利率が14%だったとすると、遅延損害金自体は164円です。

一方、(イ)の方式の場合、仮に借入残高が10万円、その内当月の返済額が1万円、借入利率が14%、遅延利率が20%だとすると、遅延損害金の額は以下になります。

1万円×20%÷365日×10日=54円
10万円×14%÷365日×10日=383円
54円+383円=437円(遅延損害金)

●ブラックリストへの記載
カードローンの返済を延滞すると遅延損害金より怖いのが、信用情報機関にブラックリストとして記録されることです。つまり、「返済事故者」となり、危険人物と見做されます。また、延滞が長引けば、カードローンの契約が強制解約されることになり、以後の借入はできなくなります。

現在では、全てのカードローンに共通して必ず行われる審査として、信用情報機関に対する信用情報の照会があります。つまり、各貸金業者の貸出履歴に問題は無くても、信用情報機関にブラックリストがあると、絶対に貸出が行われません。

現在は貸金業法による規定によって、すべての貸金業者は必ず信用情報機関に加盟することが義務付けられており、さらにすべての利用者の信用情報や契約情報、貸出履歴などの情報を信用情報機関に提出しなければなりません。従って、1社のカードローンに対して延滞事故を起こすと、すべての貸金業者がその情報を把握できるため、全ての業者からの借入が不能になるということです。

●利用限度額の減額
なお、延滞まで行かなくても、遅延を繰り返していると当然、利用者に対する信頼が薄れます(与信の低下)。そのため、契約の更新時に利用限度額の減額が行われます。例えば、従来40万円の利用限度額であったものが、20万円に減額されるようになります。

まとめ

ちなみに、銀行のカードローンにおいても、ペナルティの内容は消費者金融と変わりません。違うのは、銀行カードローンの場合は貸金業者が保証会社になっているため、延滞をすると、保証会社である貸金業者が利用者に代わって債務残高を全額弁済する「代位弁済」が行われることです。当然、その後は保証会社から利用者に対して債務の返済請求が行われます。ブラックリストに載ることも変わりはありません。